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神山まるごと高専(仮称)初となる「サマースクール2022」開催レポート!

神山まるごと高専

まるごとnote編集チームです。「モノをつくる力で、コトを起こす人」を育てる、神山まるごと高専(仮称・認可申請中)(以下、神山まるごと高専)に関する情報を伝えています。
 
2022年8月2日〜7日、そして8月9日〜14日に、神山まるごと高専は初となるサマースクールを開催しました。今回、その様子をレポートすべく、神山まるごと高専の職員でもあり、サマースクール中にクラスマネージャーとして活動した古屋佑奈にインタビューしました。

ポリシーとして掲げた
「ここは小さな社会、あなたは大人」

ーー「クラスマネージャー」というのは、あまり聞きなれない役割ですが、どんなことをしたのですか?

神山まるごと高専 職員・クラスマネージャーの古屋佑奈

クラスマネージャーは、日中の授業時間におけるクラス担当者です。登校してから放課後までの学生の問い合わせ窓口・学生の相談相手として動いていました。同じように、夕方、授業が終わってからの時間の担当者の「カルチャーマネージャー」という立場のものもいました。
 
なぜこのような担当を置いていたのかというと、今回のサマースクールで、参加した学生に明確に伝えていた「ここは小さな社会、あなたは大人」というポリシーが関係しています。
 
このサマースクールの中では、授業に関するものや、授業外の生活面に関して、基本的には学生の意思決定に任せていました。例えば、授業では、グループを使って取り組む「ゼミ活動」に関して、メンターをあてがってはいたものの、グループ分けや実際の活動方法については、サマースクールの運営からの指示はせず、学生に任せていました。
 
生活面についても、安全性に関わるもの以外、例えば、休日の過ごし方、宿舎での過ごし方のルール。シャワーや浴場の使い方といったものまで、学生が自分たちで議論を行い決めてもらいました。
 
そのように主体性を持ってもらい、自分たちで議論をしていくと、必ず「ここはわからない」といった部分が出てきてしまいます。
クラスマネージャーやカルチャーマネージャーは、その際の問い合わせの窓口・相談窓口として機能していました。とはいえ、答えを教えるものではなく、必要最低限の決まりだけを確認するのみです。


ポリシーは初日に共有されました

 これらの取り組みは、このサマースクールのテーマである「神山まるごと高専を疑似体験する」というものに基づいて設計されています。
 
神山まるごと高専では、待っていれば教職員が一方的に何かを教えてくれる訳ではありません。特に開校時は先輩もいない学校です。自分たちで学校のルールやカルチャーを作るということが入学後、求められますし、最後は自分自身で選択して決めていくということが大切です。
その神山まるごと高専の姿勢を体感してもらう、まさに、疑似体験してもらうために、このような仕組みにしました。
 
とはいえ、私たち自体も手探りです。実は、このクラスマネージャーという名前も、A日程では「担任」という呼び方だったのですが、A日程終了後、「一般的な『担任』とは違うクラスマネジメントを目指しているのでは」と議論になり、B日程から呼称を変えました。常にアップデートしながら運営しています。

ーーそれは既存の学校にはない役割ですね。このサマースクールには実際には、どのような学生が応募してくれたんですか?

前回の大蔵のnote記事公開後、38名の枠に全国から211名の応募をいただきました。とてもたくさんの方に応募いただき、本当にありがとうございました。
 
選考課題として、「これまで熱中していたことを表現する3分の動画」「将来やりたいことと、神山まるごと高専で学びたいことについての作文」の提出を求める、取り組むのも大変な課題でしたが、とても作り込まれた、熱い作品がとても多く届きました。
 
その選考の中、選ばれたのは、人口比率的に東京や大阪などの都市部が多くなってしまう傾向にはありますが、徳島や福岡、そのほか全国各地から。そして、男女比率も本校が目指している半々程度に落ち着いています。

「神山まるごと高専を疑似体験する」ための授業とカルチャー

ーーでは実際に、授業ではどういったことが行われたのでしょうか?

授業では開校後の本番さながら、五泊六日の中で、13コマの授業を行いました。加えて、放課後の時間を使ったゼミ活動というものも行われています。
 
具体的には、プログラミングの基礎を集中的に学ぶITブートキャンプの授業や、プレゼンのためのストーリーテリングを学ぶ国語表現の授業。デザインの観点で起業家精神を学ぶ、カリキュラムディレクター伊藤によるアントレプレナーシップ概論といったものまでありました。
授業は90分、長いものだと180分にもなりますが、参加者は皆集中して、目の前の学びに取り組んでくれました。

時間割の例

ゼミ活動では、「学校にまつわるコトを、モノを作ってアップデートしよう」をテーマに、グループで議論し、プレゼンテーションを作る。そんな活動が行われました。
 
グループ分けやメンター選びも学生の自主性に任せ、スタッフからは「『コンフォートゾーン』から一歩出て取り組めるグループにしよう!と言う言葉だけをかけました。

普段の学校生活上では、なんとなく気の合う人、やりやすそうな人と一緒にいがちですが、ここは全国から集まったメンバーと共に過ごすサマースクールの場。自分にはない観点を持っていたり、自分とは異なる視点を持っていたりする参加者同士で、化学反応を生んでほしかったんです。

3日目には、起業家講師が実際に神山に来て、授業やディスカッションを行う、「起業家講師Night」も両日程で行われました。コスメティックブランド 「SHIRO」の創業者である今井浩恵さんや、NEWPEACE高木新平さん、若手アーティストのSASUKEさん、徳島大学で研究者をしながら昆虫食で起業をしている株式会社グリラス渡邉 崇人さんといった、ビジネスの第一線を走っている起業家たちが神山に来てくれて、授業や学生たちとの対話を行いました。

SASUKEさんは、神山訪問の様子を動画で紹介もしてくれています。

ーー盛りだくさんですね!集中した授業の時間だけだと、神山を満喫できたのでしょうか?

はい、しっかり授業の合間に神山町も体感・体験してもらいました。
会場となった、神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックス、宿となったWeek 神山を一歩出ると、神山の大自然が広がっています。朝に散歩に出かける学生や、合間に川に遊びにいく学生も多く見られました。

宿泊先として利用させていただいたWeek神山

それだけでなく、サマースクールの日程の真ん中に、休日も設定しており、各自アクティビティを選択して神山を満喫してもらいました。
 
雨乞いの滝という滝の名所まで登山したグループ。徳島の名産の藍染を行ったグループ。ドローンとプログラミングをかけ合わせて、遊んだグループもありました。

藍染体験
雨乞いの滝 登山

神山を満喫した。といえば、給食も神山を十分に感じられるものになったと思います。地産地食の給食を、フードハブさんの協力のもと振る舞ってもらいました。例えば、徳島産鮮魚のソテー・神山町の生産者のつなぐ農園ノーザンルビーのドフィノワ・同じく、里山の会さんのきゅうりのスープ・南高梅ごはん」などが提供されています。

毎日、おいしい給食を提供いただきました

運営は環境を提供したのみ。頑張ったのは学生

ーー学生・教員ともに、とても濃い五泊六日を過ごしたんですね。実際に、このサマースクールを通しての感想を教えてください。

最初は戸惑いを感じていた学生も、五泊六日、このサマースクールの環境の中にいることにより、行動の変化や成長がありました。
 
授業や運営側がどんなヒントや刺激を提供しても、それを受け取る側が受け取り、行動に繋げようとしないとこんな成長は見られないはずだと私は思います。なので、頑張ったのは学生の皆さんで、本当に素晴らしいなと思います。戸惑ったり悩んだりしたこともあったと思いますが、よく走りきってくれたなと思います。


ゼミ活動のプレゼンの様子

神山まるごと高専では、求める学生像を公開していますが、これらの学生像を前提に設計された授業・体験で、学生が成長していく。その手応えをつかめたことは、我々にとってとても良かったことなんだと思います。

神山まるごと高専が求める学生像

また、本校は、「正解のない問いに向き合うこと」に向き合ってもらう学校です。
これは社会人になっても大変なこと。ですが、社会人でなければできないわけではありません。事実、今回の参加者たちは、この正解のない問いに向き合い、ゼミ活動をやり切ってくれました。開校後、そんな学生が数多く集まっているところを想像することができました。

ーー開校に向けて進んでいく神山まるごと高専ですが、今後はどのような取り組みが予定されていますか?

引き続き、オンラインでの学校説明会や、学校説明会参加者を対象とした、神山町のキャンパスツアーを行っていきます。また、順調にいけば9月中旬に入試要項を公開することができる予定です。
 
入学試験の情報は一部、事務局長予定の松坂のnote記事にも出ていますが、さらに具体的な情報がお伝えできると思います。ぜひ、チェックください。
 
本校に興味を持ってくれた方は、ぜひ学校説明会にご参加ください!
私も参加していますので、お会いできることを楽しみにしています!
 

※今回のサマースクールの参加者は中学3年生でしたが、疑似体験する問いテーマのもと、本高専生として受け入れ、五泊六日の時間を過ごしました。
したがって、本noteでも、「中学生」ではなく「学生」という呼称をしています。

[取材・文・構成] 小池亮介 [撮影] 生津勝隆


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