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女子のための「STEM体験プログラム」👩‍💻🎓神山まるごと高専×山田進太郎D&I財団コラボ企画開催レポート✍️

こんにちは、神山まるごと高専note編集部です。今回は、10月11日(金)の国際ガールズデーにちなみ、先日9月29日(日)に開催した「神山まるごと高専オープンキャンパス for Girls」のイベントの様子をお伝えします。この記事は本イベントの運営スタッフとして手をあげてくれた本校2年生の鈴木カヲルさん、宮脇悠花さんがライティング・撮影を担当した記事です。

「性別に関係なく、多様な進路の選択肢を」イベントへの想い

神山まるごと高専は、中高生女子のSTEM※(理系)進学の可能性を広げることを目的にした山田進太郎D&I財団「Girls Meet STEM」に高専で初めての参画を発表しました。(プレスリリース
※STEM:科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の頭文字を取った、「理系」分野を表す言葉

神山まるごと高専は、ジェンダーや育った環境に左右されることなく、誰もがアントレプレナーシップを発揮できる環境こそが人間の未来を変えると信じています。その一歩として、すべての中学生が多様な選択肢を持ち、自らの意志で進む道を選べる社会の実現を目指し、Girls Meet STEMと共に具体的なアクションを起こしていきます。この取り組みを通じて、次世代のイノベーターたちがSTEM分野で輝く未来を形にしていきます。

リリース時エンドースコメント(クリエイティブディレクター村山海優)

本校は、開校以降、学生の男女比率は半々となっています。これは、全国の高専の中でも珍しい数字です。開校前より、多くの女子中学生に本校の選択肢を知ってもらうために、女性起業家によるトークセッションや女子学生による座談会などを積極的に行ってきました。今回は、その取り組みの一環として、「オープンキャンパス for Girls」を実施しました。

ロールモデルやテクノロジーに触れ、未来の自分を想像する1日

本イベントは、全国から中学生計30組の方にご参加いただきました。午前中には、ロールモデルとなる先輩女子をお呼びし、女子で理系の道を進んだ体験についてや高専時代の様々な経験をお話していただきました。
午後は、中学生のみなさんにテクノロジーに触れてもらう機会として、生成AIを使ったWebサイト制作や画像生成の体験授業を行いました。イベントの雰囲気や参加者の様子を、本記事でお届けいたします!

【当日のプログラム】
11:00-11:30 オープニング
11:30-12:30 ロールモデルトークセッション(巻末にアーカイブ動画有り)
八戸工業高専出身 横浜希さん/神山まるごと高専1年生 市川珠莉南さん
12:30-13:30 ランチ座談会
13:30-15:00 プログラミング体験授業
15:00-16:00 キャンパスツアー

会場内には、学生とスタッフが薦める、理系を選択する女性を後押しする本が並ぶ。

「得意や不得意は、性別の差ではなく個性」先輩からエールを送る。

「女子が理系を選ぶって大変じゃない?」「将来どうなるんだろう?」と漠然と不安を抱える女子中学生のみなさんに、今活躍しているロールモデルを見つける機会にして欲しいと思いから、トークセッションを企画しました。神山まるごと高専には未だ卒業生がいないので、今回のトークセッションには、青森県の八戸高専を卒業し現在有名ベンチャー企業で活躍されている横浜希さんに登壇していただきました。高専を選んだきっかけや、高専を卒業してから現在までの道のりなど、理系の進学先を選んだロールモデルとして、さまざまなことをお話ししてくださいました。

八戸高専出身 横浜希さん

その後は、在校生から1年生の市川珠莉南さんも加わり、トークセッションを行いました。女子であることがどれぐらい関係あったかや、女子で理系の道を進んだことによる葛藤や悩みなどをテーマにトークセッションを展開しました。

神山まるごと高専1年生 市川珠莉南さん

「女子だからという理由でできなかったことはあるか」という質問に、中学生時代から自動車を組み立て方を学ぶ習い事に通っていた市川さんは、「力仕事などはやらなくて大丈夫、と声をかけられることがあった。」と振り返りながらも、「女子だからといって、何かを諦めたことはなかった。確かに力仕事など、向かないことはあるかもしれない。でも、自分の得意なこともある。だから、無理にできないことをできるようにするのではなく、いかに自分の得意を伸ばせるかが大切。」と中学生へ強いエールを送りました。

また、会場内で聞いていた1年生の伊藤凜美さんは「性別の差ではなく、個人の差はあって、その個人の差を活かすのが大切。無理にできないことをできるようにするのではなく、できない部分はきっと他の人が得意としている、個性としているだろうから、その人に任せて、自分の個性を最大限活用して欲しい」と答えました。

神山まるごと高専1年生 伊藤凜美さん

実際に理系の道に進んだからこそわかるリアルや、今理系の道を選ぼうとしている中学生への応援のメッセージがたくさん詰まったトークセッションでした。

プログラミングの授業では、好き×テクノロジーで未来を妄想し、形にする力を学ぶ。

午後は、本校の学びを体感していただくためのプログラミングの体験授業が実施されました。高専同様の90分の授業を通して、自分の好きなモノから発想した新サービスのWebサイトをつくる授業。(本授業のベースとなる記事はこちら

まず、ペアワークでお互いの自己紹介も兼ねて自由に「好きな〇〇」を出し合い、そこに手元のテクノロジーカードを掛け合わせ、未来のテクノロジーを自由に考えます。会場内には活発な会話が飛び交い、「本×ICチップ」「犬×顔認証」「ファッション×AI」など、好きなものを起点にした様々なアイデアが生まれていました。

カードを組み合わせた新しいコトバ「ドローンコーヒー」

その後、CodeSandboxという開発ツールを使い、自分が妄想したアイデアを販売するためのWebサイトの作成を行いました。予め用意されたフォーマットを読み解きながら、自分の好きなようにコードを書き換えていきます。

コーディングやデザインにも生成AIを用いることで、プログラミング初心者の参加者でもオリジナルの商品紹介ページを作り上げることができ、最後はそれぞれが発表を行いました。「好き」を起点に発想を膨らませ形にする、そのことに性別は関係ないと言うメッセージが込められた授業でした。

自分で作ったWebサイトを発表する参加者

最後に。「どの道が正解か分からない」「自分の選択に責任を持つ」

イベント終了後、3名の参加者にインタビューをさせていただきました!いずれの参加者も、イベントに参加する前に抱いていた心配や不安が、少しずつ解消されたようです。

理系を進路先に選んだ人の話は聞いたことがあったけど、実際に進んだ後を知ることができました。理系の世界って、男の人が多いイメージだったけど、あんまり心配いらないなと思えました!

「どの道が正解かわからないから、進んだ先を正解にする。」という言葉が印象的でした。

自分の意見に対してGood&Mottoが多くて、より理想のカタチに近づけた。

今回のイベントでも、デザイン・テクノロジー・起業家精神の全てを学ぶことができました。やっぱり自分が学びたいことにピッタリだなと思いました。学生・スタッフさん達が丁寧にサポートしてくれたので、すごくやりやすかったです!

参加者の声

神山まるごと高専では、性別や年齢に関わらず、学生の活躍を応援しています。今回のイベントが、参加された学生さんにとって「女性だから」などと選択肢を自分自身で狭めず、自分の思うままに進んでいく後押しとなっていれば幸いです。

「自分の選択に責任を持つことが大切」と言うゲスト横浜さんの言葉の通り、進んでいく道を最終的に決めるのは生徒さん自身です。神山まるごと高専では、STEM分野への興味が広がるきっかけや、その道へ進む後押しとなるような活動に、今後も力を入れていきます。お読みいただきありがとうございました。

ライティング・撮影・取材を担当した2年生の鈴木カヲルさん、宮脇悠花さん