神山まるごと高専(仮称・認可申請中)
社会を巻き込み「教育」を変える。コスメティックブランドSHIROが、神山まるごと高専への寄付に込めた思い
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社会を巻き込み「教育」を変える。コスメティックブランドSHIROが、神山まるごと高専への寄付に込めた思い

神山まるごと高専(仮称・認可申請中)


まるごとnote(神山まるごと高専(仮称・設置構想中)noteアカウント)編集チームです。

「モノをつくる力で、コトを起こす人」を育てる、神山まるごと高専に関する情報を伝えています。

※設置構想中のため、今後内容変更の可能性があります。

この度、コスメティックブランドSHIROを展開する株式会社シロが、神山まるごと高専の開校に向けて、企業版ふるさと納税を用いた寄付を発表しました

シロは北海道砂川市において、ものづくり・教育・観光をテーマとした、子どもたちと市民が主役のまちづくりプロジェクト「みんなのすながわプロジェクト」に取り組んでいます。寄付の背景には、日本の教育への課題感や、地方発の活動によって社会を変えていくビジョンへの共感があったそう。

今回は、SHIROを立ち上げた、現・代表取締役会長の今井浩恵 (いまい ひろえ)さんと、神山まるごと高専理事長(仮称)でSansan株式会社・代表取締役社長 / CEO 寺田親弘(てらだ ちかひろ)さんに、コラボレーションに至った背景と、両者が「教育」に込める思いを聞きました。

神山まるごと高専とSHIROの意外な共通点

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-コスメティックブランドのSHIROが、神山まるごと高専に寄付を行ったのには、どのようなきっかけがあったんですか?​​

理事長・寺田親弘(以下、寺田):シロさんとの接点は、神山まるごと高専のクリエイティブディレクター(仮称)山川咲が、過去に今井さんと一緒にプロジェクトをした経験です。僕自身はコスメとかには疎いので、最初は「SHIRO」というブランドを知らないところから始まったんです。

SHIRO・今井浩恵(以下、今井):ひどい!(笑)

寺田:すみません(笑)。咲ちゃんの紹介で今井さんと話すようになり、時代を代表するブランドを作られた経験や、北海道の砂川で「みんなのすながわプロジェクト」というまちづくり事業に取り組まれていることを知って。経営者としてものすごい実績を残されている方が、地方から教育を変えていく活動をされている姿に強く共感して、何かご一緒できればと考えるようになりました。

今井:私が神山まるごと高専のことを知ったのは、咲ちゃんのインスタの投稿がきっかけです。最初は「へぇ、高専を作ってるんだ」くらいにしか思っていませんでした。でも、よくよく調べると、5年以上前から構想してきた活動であることや、経営者として忙しいはずの寺田さんが本気で取り組んでいることを知って。

最初にオンラインで顔合わせした際も、アポイントの間だったのか、寺田さんは停車した車の中から参加されたんです(笑)。そんな人初めてだったので、「本気なんだ」と、心からリスペクトしました。今回の寄付は、できることならなんでも協力したいという純粋な思いから生まれたものです。

-お互いの活動に共感された部分はありましたか?

寺田:関わり始めた頃に、今井さんに徳島のすだちを送ったんです。すると、すぐに「これでプロダクト作れないか考えてみます」と返事がきて。何かいい素材を手に入れたら、すぐにプロダクトを作る姿勢が「モノを作る力で、コトを起こす人」を育てる神山まるごと高専の考え方に通ずるなと感じました。

今井:そうですね。SHIROは昔から、何を作るかを決めて素材を探すのではなく、「目の前にある素材をどう活かすか」を大事にしてきたブランドなんです。高知県の生姜を用いた自家製のジンジャーシロップを作ったり、北海道の酒蔵で取れる酒粕を使用した化粧水を作ったりしていて。素晴らしい生産者さんとのご縁を大事にしてきました。

神山にも素晴らしい生産者さんがたくさんいます。それも、今回のコラボレーションの理由の一つですね。いい生産者さんがいて、大南さん(神山まるごと高専設立準備財団代表理事)のようなキーマンがいて、さらに、本気でコトを起こそうとしている寺田さんや咲ちゃんがいるなら、素晴らしい未来を一緒に作っていくことができると感じました。

誰かに任せず、自分の手でいい街を作る

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-地域にある素材・魅力を生かして、新しいプロジェクトやプロダクトを生み出していくスタンスが共通しているんですね。なぜ、今井さんは砂川で活動されるようになったんですか?

今井:もともとシロは砂川に本社がある会社です。私自身、創業者から会社を買い取って以降、20年間は砂川で働いていました。その頃は砂川に可能性を感じていたというよりは「東京には行きたくない」といった気持ちが強くて。

なぜなら、東京には人もたくさんいるし情報もたくさんあって、成功が約束された場所で事業に挑戦しても面白くないと思ったんです。逆に人や情報の少ない地方でビジネスを成功させられたら、事業の成功に場所は関係がないことが証明できるし、多くの人を勇気づけられるんじゃないかと考えて、ずっと砂川で活動していました。

ー現在シロの本社は東京の表参道にありますが、どんな心境の変化があったんですか?

今井:日本全国に店舗展開ができたタイミングで、次は世界を目指そうと考えるようになりました。世界に挑むために、東京に拠点を移したんです。そこから7年間は、砂川に戻ることは全く考えずに、毎月海外をまわって。どの地域がビジネスを成功させるポテンシャルが高いのかを考えてきました。

改めて砂川に目を向けたきっかけは、新型コロナウイルスです。本社スタッフによるインスタライブがお客様にご好評いただいたり、スマートフォンの案内のみで製品購入が可能なデジタルストア「SHIRO SELF」を立ち上げたりしたことで、会社は150%成長を達成(売上前年度比)。製品の注文が大幅に増えて製造が間に合わなくなり、工場を新築するための土地を探し始めました。

初めは関東近郊の土地を探していましたが、縁もゆかりもない場所で工場を立てることに気が進まなくて。そこで、砂川のことを思い返すと、ここには広大な土地と豊かな自然があると気づいたんです。SHIROのプロダクトを作る上で、最適な場所だと再認識して砂川に戻ることを決めました。

ー砂川との縁は繋がっていたんですね。

今井:どうせやるならもっと楽しいことができないかと、砂川自体にも目を向けるようになって、この街のポテンシャルに気づいたんです。

世界的なコスメブランド「ロクシタン」の工場は、南フランスのプロヴァンスという辺鄙な場所にあります。交通の弁がいいとは言えないその場所に、ロクシタンの工場を一目見ようと、世界中から人が集まってくる。

私は7年ぶりに見た砂川に、プロヴァンスのような場所になる可能性を感じました。SHIROが大きくなることで、世界中から多くの人がこの街に訪れるようになる。この街が素晴らしい場所になれば、世界に感動体験を届けることができる。そんなイメージが湧いて、砂川の活性化に取り組むことにしたんです。

-社長を退任される前には、SHIROのリブランディングをされましたね。そこで感じられたことも、現在の活動に繋がっているのでしょうか?

今井:そうですね。2019年にリブランドした後、私は大きな焦燥感を感じていました。なぜなら、国や社会がよくなるために命をかけて働いてきたのに、現状は何も変わっていなかったからです。街の遊具は相変わらず壊れていて、教育も古いまま。国に任せるんじゃなくて、自分の手でいい街を作ろうという思いが、今の活動の原点です。

だからこそ、寺田さんが会社を成功させて税金を納めるだけで満足せず、自らの手で神山まるごと高専を作っている姿に、強く共感したんだと思います。自分がいいと思うコトを、自分で形にする姿こそが、起業家としてのあるべき姿だと確信させられました。

「教育」は、経験や知識を次世代に渡していく取り組み

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-起業家・経営者として活躍してきたお二人が、お互いの活動に共通する「教育」という分野に目を向けられた理由を教えていただけますか?

寺田:僕にあるのは、コトを起こすことへのあくなき欲求です。ビジネスという分野である程度やりたいことが形になったので、それ以外の分野で起こせる“コト”はないかと探して見つけたのが教育でした。

活動を始めた当初は、教育に注目した理由を明確に言語化できていませんでした。しかし、過去を振り返って見えてきたのは、「学校教育では、起業家として必要なことを習う機会が全くない」という事実。経営をする中で感じていた課題の根本にあるのが、教育なんじゃないかと気づいたんです。

今井:その思いがあるからこそ、寺田さんは今の活動に燃えているんでしょうね。私も、多くの経営者の方とお会いしてきましたが、教育に目を向ける方は自分の成長がある程度終わった上で、学んできたものを次世代に受け継いでいこうとされているのを感じます。会社の中で後継を作っていくのも、子どもたちを育てるのも同じこと。持っている経験や知識を人に渡して、社会に循環させていこうとしているんです。

-ビジネスから教育分野に活動のフィールドを変えて、お二人の中に変化はありましたか?

寺田:物事の進め方の違いを、すごく感じています。会社だったらどんどん指示を出して、全体の統制を取る進め方をしますが、神山まるごと高専のようなソーシャルプロジェクトは、人を雇用しているわけではないので、同じ進め方ではうまくいきません。

でも、関わっている人は全員「子どもたちにいい未来を残したい」という気持ちを持っているので、その思いが共感を呼んで雪だるま式に影響が広がっていくんです。先日行ったクラウドファンディングでは、ビジネスでは経験したことのないくらい、多くの人の協力を得ることができました。

経営者として色々な経験をしてきた自負はありますが、ソーシャルの活動をしてみると、新たにいろんなことを学べます。僕も、日々成長痛を味わっている最中なんです(笑)。

今井:トップダウンじゃない進め方って難しさがありますよね。みんなのすながわプロジェクトでも、地域住民の声を反映しながら、ひとつの物事を決めるだけでも、今までとの進め方の違いに難しさを感じることもあります(笑)

あと、私がソーシャルでの活動をしていて思うのは、経営者だった頃にはやらなかった細かいことに挑戦する機会が増えたことです。自分でインスタを触ってみたり、ドキュメント資料を送るなんて初めての経験。でも、それがすごい新鮮なんです。

-全部自分でやるんですね。

今井:そうなんです。さらに、ビジネス上では出会わない教育関係や行政の方、街のおじいちゃんおばあちゃんとも出会うようになって。その人たちの生活や思いを想像する機会が増えたことで、社会の解像度がさらに高まったんです。

例えば、みんなのすながわプロジェクトはもともと、子どもが楽しめる居場所を作る活動でした。しかし、実際に街の人の話を聞いていくと、居場所がないのは大人たちの方だと分かりました。コーヒーを飲みながら好きな本を読んだり、勉強をしたりする自分自身につかう時間を過ごす場所が不足していたんです。子どもを生き生きさせるなら、まずは大人が生き生きしないといけないことを、改めて気づかせてもらいました。

民間企業だからこそ、本当に社会を変えられる

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-ビジネスの世界では出会わなかった人たちと一緒にプロジェクトを進める中で、新たな成長を感じられているんですね。今回の寄付、そしてコラボレーションを通して実現したいことを教えてください?

今井:私たちが取り組んでいることは、一般的に言えば行政が担当する領域だと思います。でも、そこに民間が入っていくのはすごい可能性があるんです。なぜなら、民間は自分たちでお金を生み出せるから、持続的な活動ができます。さらに、自分たちの身銭を切っているからこそ、社会やその街にとって本当にいいものを作ることに魂を込められると思うんです。

寺田民間が取り組むとスピードも早くなりますね。どうしても行政だと平等性が求められたり、既存のシステムや価値観が邪魔をして動きが遅くなってしまう部分がある。民間だからこそ素早く課題解決ができるはずです。

今井:こういう取り組みが、会社として当たり前の活動になったらいいですよね。多くの企業が、自分たちの事業・ブランド展開だけじゃなくて、社会や子どもたちにお金を使うようになれば、子供たちの選択肢を増やすことができる。それが、本当に社会を変えるために必要なことなんです。

寺田:今回の取り組みが、単なる一つの事例で終わるのではなくて、他の企業も巻き込んでいけるロールモデルになることを願っています。ESG(持続可能な開発のための教育)
など、政府や国が用意したガイドラインがあるから動くのではなくて、会社のある地域とか縁のある場所に、自発的に貢献していく。そんな活動が増えたらいいですね。

[取材構成編集・文] 水玉綾、佐藤史紹、林将寛 [撮影]澤圭太

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