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学生の可能性を信じる、新しい学校運営組織をつくる。 学生広報・経営管理・寮運営マネジャー・看護師の募集を始めます

まるごとnote編集チームです。

「モノをつくる力で、コトを起こす人」を育てる、神山まるごと高専(仮称・認可申請中)(以下、神山まるごと高専)に関する情報を伝えています。

神山まるごと高専では、11/30に職員の第二次募集を開始しました。募集するのは、「学生広報」「経営管理」「寮運営マネジャー」「看護師」

具体的にどのようなことをしてくのでしょうか。10月より神山に移住し、事務局長(予定)でもある松坂孝紀さんに聞きました。

松坂さんは2008年に東京大学を卒業し、人材教育企業のアチーブメント株式会社に入社。

2017年より子会社の取締役に就任し、人事コンサルタントとして、数多くの組織変革プロジェクトを推進してきました。2021年10月、神山まるごと高専の事務局長(予定)に就任。同時に徳島県神山町に移住して、2023年の開校にむけ準備にあたっています

“奇跡の田舎”で新しい学校を「共につくる」体験は、人生を賭けるに値する一大プロジェクト

ーそもそも、松坂さんはなぜ神山まるごと高専に関わることになったのですか?

もともと大学生の頃から「教育」そのものに関心を持っていて、いずれ学校に関わりたいという気持ちがありました。社会は「人」でできていて、その「人」がどのようにしてできていくかをさかのぼっていくと、結果として「教育」に行き着く。さらに「教育」をさかのぼると「学校」という存在は無視することができなくなっていきますよね。

そんな中、「新しい学校ができる」という話を、前職の先輩だった山川咲さんから聞きました。そもそもの興味があったのと、またもう一つ地方に学校ができるということの価値を感じていたので興味を持ったというのが、最初のきっかけですね。

最終的な決め手は、「学校を作りたい」ということだけではなく、「学校を卒業した人たちの活躍が見たい」と思ったことだと思います。「いずれは」と思っていたにしてはだいぶ早いタイミングでしたが、携わることに決めました。

ー地方に学校ができるということの価値、とは具体的にどういうことでしょうか?

前職の仕事で地方自治体のコンサルティングを手がける中で、学校の存在が、その町の魅力に大きな影響を与えるという事例を目の当たりにしてきました。その中でも、徳島県(名西郡)神山町という、地方創生で既に先駆的な取り組みをしている場所に、いままでにない先進的な学校ができる、という話に、可能性を感じました。

ー松坂さんから見た「神山町」の魅力は、どんなところにあると思いますか?

ずっと東京で暮らしていたので、シンプルに分からなかったのが「神山町で暮らす」ってどんな感じ?ということでした。それは自分自身もだし、今後やってくる学生にとってもどうなんだろう、という疑問はあったんですよね。

直接現地に赴いてみると、人口は約5000人、商業施設も少なく、確かに不便ではあるかもしれませんが、そこにはとにかく沢山の「余白」があるなと感じました。それすなわち「チャンス」があるということです。

そのチャンスに対して、チャレンジしていこうとする人がいる。応援してくれる人がいる。そんな風土は、学生が「育つ」環境としてむしろ素晴らしい環境なのではないか、と感じました。

神山町ってすごく面白くて、町に移住してきて欲しい人を「逆指名」するスタイルを貫いているんですよ。誰でもウェルカム、という訳ではなく、例えば「この空き家は商店に向いてそう」となったら、神山への移住を希望している人たちのリストから「パン屋やりたいです」と言っている人を指名して優先的に移住してもらう。

なのに、実際に移住してきてからは、その移住者に対してああしろこうしろとか一切言わないんですよ。代わりにすごく応援してくれる。「能力があってチャンスがあって、それを応援する人たちがいたら、勝手にやるよね」という空気が自然に流れていて、それって人が育つ上でとても大切なことだなとシンプルに思うんです。神山町だからこそできる教育があるんじゃないかと思っています。

ーそんな魅力的な町に、「いままでにないような学校」ができる。確かにワクワクしますね。

いまだかつて日本になかった、けれども社会に今非常に求められている学校をつくる、というプロセスに立ち上げから携わることができる。ここはやはり大きいですよね。

元々、学校って「もっとこうだったらいいよね」と思うことがすごく多いんですよね。伸びしろがたくさんあるというか。

2021年6月に行ったクラウドファンディングの盛り上がりの時にも、同じようなことをたくさんの人たちが感じているんだと、すごく感じたんですよね。沢山の応援の声もいただきましたし、個人・法人からも多くの寄付をいただいたことで「本当にこういう学校があったらいいよね」という”希望”を託されている、背負っている学校なんだなと常々感じています。

▲3ヶ月の期間で募集したMakuake応援購入にはたくさんの支援が集まりました。

ー今回は2次募集ということですが、どんな方々を募集しているのでしょうか。

2023年4月の開校から勤務する、いずれも新しい学校に不可欠な仕事で、一緒に学校づくりをやっていく創業メンバーです。今回の2次募集では学生広報スタッフ、経営管理スタッフ、寮運営マネジャー、看護師の4職種を募集しています。

学生広報スタッフは、神山まるごと高専に合った学生40名を集めてくる、いわば採用担当のような仕事。様々なコミュニケーション企画や、広報ツールのディレクション、説明会やイベントの企画運営などを行いながら、この学校をもっと中学生やその保護者の方々に知ってもらうのが一つ目の仕事。そして、神山まるごと高専に興味を持ってくれた中学生から、人間の未来を変えるリーダーを発掘するための入試方法を考え、運営していくのがもう一つの仕事です。

経営管理スタッフは、バックヤードの要として人やお金の管理をしてもらいつつ、経営企画的な業務として様々なプロジェクトに携わってもらおうと思っています。神山まるごと高専は新しい学校ですから、チャレンジもたくさんしていきます。でも、学校は様々なルールや体質があり、「なんでこうなってるんだろう?」と思うこともたくさんあるんです。本質的にやった方がいいと思うことを、どのように実装するか。様々な壁やルールを踏まえて、落としどころを探して、ということを一つひとつ粘り強くやっていく仕事です。

寮運営マネジャーは、神山まるごと高専の学生が生活する寮を運営していただく仕事です。全寮制なので、全学生200名の生活をまるごと支援していく仕事です。生活環境を整えたり、寮費や施設の管理を管理したり、保護者・学校との調整・情報共有をしたり。あとは、神山まるごと高専はカルチャーをすごく大切にしているので、一緒に学生のカルチャーを考えたりつくったりする支援もしていきたいですね。ルールを一方的に押し付けるのではなく、学生とともにつくっていく姿勢や、ファシリテーション力の高い方に来てほしいです。フードハブ・プロジェクトさんとご一緒する給食プロジェクトの管理もお任せする予定です。

看護師は、学生の健康管理や保健指導、ケガや病気に対する対応などを行う一般的な看護師の仕事に加えて、保健室の先生的な役割も期待したいです。神山まるごと高専は寮生活ですので、学生の心のケアなども重要な役割になってくると思います。とはいえ、開校時には1学年40人しか生徒がいない状態。せっかく新しい学校ができるタイミングですので、看護師という専門性は持ちながらも、学生に関わったり、授業づくりのサポートをしたり。教育に関心のある方に来ていただきたいですね。

ルールで縛るのではなく、学生の可能性を信じる。そのスタンスを環境や仕組みづくりで表現するクリエイティブな仕事

ー全寮制の学校ということですが、この寮の運営スタイルもやはり、「いままでにないような」形を意図されているのでしょうか。

そもそも高専ってすごく面白い仕組みだと思ってます。「高校3年+専門学校2年=5年制」という側面もある一方で、高専は高校とは違って高等教育機関なんですよね。だから、「15歳から入れる大学」のようなものと説明された方が、実態に即してるんじゃないかと個人的には捉えています。

そして、その15歳を「子ども」とみるのか「大人」とみるのか、というところはすごく大きな分岐点だと思うんですよね。自分自身で意思を持ち、どんな方向に人生を進めていくのか判断し、社会に直結していく。それができるのが高専だと思っています。そもそも15歳の時点で、自分の学びたいことを学ぶために進路を決めて入ってくるわけですからね。そう考えると、高専の学生は「大人」として見て良いのではないか。それであれば、大人として、果たすべき責任やルールをわきまえていくのは当然のこと。学生たちには大人としての振る舞いを期待し、信じて関わることになると思います。

学生の振る舞いを信じられなかったり、リスクを恐れるあまり、それを回避するためのルールやマニュアルづくりにばかりがどんどん進んで、それによって学生に対して信頼感が伝わらなかったり、不条理さを感じさせてしまったりすることは本当にもったいないなと思うんです。

もちろん学校側の責任として、リスク管理をしていくことも大切ではあるのですが、リスク回避のためのルールや制約があまりにも多かったりすると、教育環境としてはむしろ逆効果なのではと思っています。小さな社会の中で成功も失敗も体験しながら、重要なことを学んでいくことが大事で。15歳にだって、その学ぶ力はあると信じてます。「キレイごと」と言われるかもしれないですが、どうしたらそのキレイなことをキレイなまま実現できるのかを日々真剣に話し合っています。

ー「信じる」って、大人でも難しかったりしますよね。企業や団体の組織づくりにも通じるものがあるように思います。そんな「新しい学校」をつくっていく仲間には、どんな方が向いていると思いますか?

共に正解を探せる人と一緒に働きたいですね。「学校って本来こうあった方がいい」みたいな理想論を語れることは大事だと思うんです。でも、一方で現実問題として色々な制約の中で調整をしていかなくてはならない局面も生じると思います。私たちは、現在は認可申請中ですので、これからも柔軟に変化をしながら学校をつくっていくことになります。ただ、制限があるからこそ、クリエイティブなものが生まれるんだと思うんです。実務の中でどういう落としどころにしていくかを考え、形にしていける人と、一緒に働きたいですね。もっと言えば、その過程を一緒に楽しめる人だと良いなと思います。

知らず知らずのうちに「そんなこと常識的にできないよね」って考えが狭まっちゃうことってあると思うんですが、これまでの常識にとらわれていたら、新しいイノベーションって起こらないと思うんです。

例えばですが、過去の学校体験を振り返った時に「お世話になった先生」の顔は何人か浮かぶけれど、「お世話になった職員」のことを思い出せる人ってそんなに多くないと思うんですよね。それぐらい、教員と比べると職員は「普通」にやっていたら学生と接する機会は少ないということなのだと思います。でも、学校は学生のためにあるので、学生を理解する上で職員も学生と接することは大事だし、接する機会をつくることもできるんだと思うんです。この間職員になる予定の方と話したときは、登校時に学校の入り口で挨拶する作戦とか、食堂で「隣空いてますよ」作戦とか色々考えました(笑)

何が言いたいかというと、「私は職員だから」という遠慮をする必要はない。学生のために必要と思うことは立場を超えて提案したり、実際に実行してみたりと、前向きにチャレンジしてくれるような方と、一緒に「新しい学校」をつくっていきたいです。

▲神山町の景観に馴染む、新しい校舎を建設予定です。

ー従来の「学校の事務スタッフ・職員」のイメージとは一線を画す印象。ワクワクしますね。最後に、応募を考えている方へメッセージをお願いします。

既存の学校の仕組みを疑っていくことは大切だと思います。繰り返しになってしまいますが、ただ批判・評論するだけじゃなくて、それを改善・実現するために手を動かしてきた人と一緒に仕事がしたいです。それは教育の現場に限らず、企業や組織の中でも同じだと思っています。「もっとこうしたほうがいいよね」とピュアに発想し、「どうしたらそれを変えられるんだろう」と粘り強く取り組める人が、「新しい学校」を共につくっていく仲間になりうるのだと考えています。

つくづく思うのですが、学校づくりにはいくつもの奇跡が必要だと感じます。これまでも大変な局面がたくさんありましたし、これからもたくさんあると思います。でも、それらの奇跡って決して偶然起こっているわけでなくて、色んな縁によって繋がった人が協力し合って、起こしてきてるんだと思うんです。

今回の機会でも、まだ見ぬ方との出会いが繋がって、また新しい奇跡を起こしていけるのではないかと期待しています。いずれの職種も、開校まではプロボノとして準備段階から携わっていただくことができますので、少しでも早く一緒に働けることを楽しみにしてます!

神山まるごと高専 職員2次募集要項/応募フォームはこちら▼
学生広報スタッフ https://form.run/@R2-pr
経営管理スタッフ https://form.run/@R2-admin
寮運営マネジャー https://form.run/@R2-home
看護師 https://form.run/@R2-nurse

[取材構成編集・文] 奈良 
※認可申請中のため、内容・名称等は今後内容変更の可能性があります。