自分の「?」を「!」に。「神山まるごと高専 presents 未来の学校FES」振り返りレポート〜東京品川会場編〜
まるごとnote(神山まるごと高専(仮称・設置構想中)noteアカウント)編集チームです。「モノをつくる力で、コトを起こす人」を育てる、神山まるごと高専に関する情報を伝えています。
※設置構想中のため、今後内容変更の可能性があります。
神山まるごと高専では、2022年3月26日(土)27日(日)に、中学生がさまざまな選択肢に触れ、自らの可能性を広げるためのイベント『神山まるごと高専 presents 未来の学校FES』を開催しました!
東京品川会場、神山会場、オンライン会場の3拠点開催となったこのイベント。2日間で
神山会場:60名(保護者30名、中学生30名)
東京会場:518名(保護者259名、中学生259名)
オンライン会場:1395人
の方にお越しいただきました!!たくさんの方にお越しいただき、本当にありがとうございました。
今回のnoteでは、残念ながら参加できなかった方のために、まるごとnote編集チームが東京品川会場のイベントの様子をレポートしていきたいと思います!
#15歳は、もう子供じゃない。
今回、東京会場のメインメッセージは、「15歳は、もう子供じゃない。」
受付を終えると真っ先に目に入ってくるメインパネルにも据えました。
「自分自身で感じ・考え、決めていいんだ」
「15歳って自分の人生を決められる年齢なんだ」
この場が自分の新しい可能性と出会うキッカケになってほしいという想いで、このメッセージに決まりました。
!!
エントランスを抜けたら、会場に見えてくるのが、15歳の「!(選択)」展
これは、今ビジネスやアートなどさまざまな領域において、第一線で活躍している人の15歳に焦点を当てた展示です。
エントランス側から見ると、「15歳の選択」が、そしてその裏にくるりと回ると、誰が発信したかがわかるような仕掛けになっています。片付けコンサルタントとして、世界で活躍されているこんまりさん。既成概念や業界の枠にとらわれず、現代の新しい生活の在り方を提案し「Soup Stock Tokyo」を創業した、遠山正道さんをはじめ11名の方からメッセージをいただきました。
この展示は、どんなにすごい人でも、参加者の中学生の15歳というタイミングがあり、皆さんと同じように迷ったり、悩んだり、何かに熱中したりしながら過ごしてきたこと。これを見ているあなたにも可能性が広がっていることをメッセージとして伝えたいと考え、企画されました。
きっと今の人生がどこかにつながっているんだろうなと、ワクワクしてもらえたら嬉しいです。
#ついに始まる!未来の学校FES
未来の学校FES、まずは「ホームルーム」から始まります。
授業や展示・ワークショップなど、コンテンツが盛りだくさんな、未来の学校FESの1日の楽しみ方を、神山まるごと高専のクリエイティブディレクターであり、今回のFESのディレクターでもある、山川咲さんが紹介しました。
ホームルームでは、同じく未来の学校FESが開催されていた開校予定地でもある徳島県神山町との中継も。両方の会場の熱気が一体となった瞬間でした。
(神山会場の様子は、後日レポートします!)
20名以上の登壇者が、学生・保護者向けに授業を実施
東京会場では、なんと2日間で20コマの授業を実施。
学生向けには、15歳の選択肢が増えるように、さまざまな可能性と出会うことのできる授業を。保護者向けには、先の見えない社会において、どのように子供の背中を押せるのか、向き合える授業をお届けしました。
ほんの一部ですが、授業をご紹介します。
例えば、神山まるごと高専のカリキュラムディレクターでもある伊藤さんの授業、「デザイン入門」。
普段の中学校生活では出会えない、「デザインとは何か?」からスタートし、「デザイン」が社会に役立つプロセスを、対話型の授業で紹介していきました。
保護者向けの授業では、神山まるごと高専理事長予定の寺田さんと、UWC ISAK Japan の理事長である小林りんさんの対談も実現。
「この学校は私たちの子供に何をしてくれるのか」ではなく、
「理想の教育を子供に提供するために、保護者たちが学校と一緒になって何ができるのか」
教育に向き合う、当事者意識をディスカッションしました。
#多様なワークショップや体験・実習コンテンツも同時開催
未来の学校FESでは、授業以外にもさまざまな体験型のワークショップが開催されました。
ー理想の学校の「校香(こうか)」を作ってみよう
コスメティックブランド「SHIRO」の協力のもと実現した、校歌ならぬ、学校の香り「校香」を作るワークショップ。
参加した学生は、初対面同士でグループを作り、今の学校の課題と理想の姿を話し合います。そして、理想の姿に合う、香りレシピを考えてもらいました。10種のアロマを調合し、作った香りに名前をつける。普段なかなかできない体験に、参加者は楽しんだ様子でした。
そして、実際に今回作ってもらった香りの中から、学校の香りを作り、神山まるごと高専で利用する予定です。
ーインクルーシブデザイン
いつも当たり前に使っている文房具は、障がいをもった人にとっては、使いにくい!?
会場も提供いただいた、コクヨ社の協力のもと、「インクルーシブデザイン実習」も提供しました。
インクルーシブデザインとは何なのか。学んだ後は、グループで、どんな人でも使いやすい文房具を考えて発表。
大人では思いつかない、あっと驚かせるようなアイデアがたくさんでました。
他にも、開校後にも実施を予定しているコーチング体験や、AIプログラミング×イノベーション実習、アートプログラム「EGAKU」、神山まるごと高専の個別相談会など、盛りだくさんのコンテンツが提供されました。
紙面のボリューム上、今回ご紹介はできませんでしたが、コーチング体験については協力いただいたTHE COACHさんのブログに紹介いただいています。ぜひご覧ください。
リンク
https://journey.thecoach.jp/n/n7bd01987c73c
#起業家はすごい!ではなくフラットに会話をする場
夕方、日も暮れた頃に最後のコンテンツとして用意されていたのが「起業家講師Night」です。
現役の起業家1人に対して、生徒5~6名が車座になって話せる時間。
第一線で活躍している起業家と手の届く距離で対話をし、その考え方・経験を知るだけでなく、「私にも、僕にも、起業ってできるかも」と思ってもらうきっかけ作りとして企画しました。
どんなにすごい起業家も、ひとりの人間。中学生の皆さんと同じように悩みながら15歳を過ごし、今も悩みながら日々、事業を行っている。そんな等身大の姿が伝わってくれたら嬉しいです。
こんなに起業家を身近に感じられるのは、神山まるごと高専ならではの特徴かもしれません。
#必修ワークショップ 私の「!」
未来の学校FESでは、授業や体験を追え、学びを仕切った後に、自分の気づきを書き出す、必修ワークショップが用意されていました。
「15歳の選択肢を広げる」という私たちのトライは、学生の皆さんの心を動かすものだったのか。
この未来の学校FESで、本当に何か「気付き」を得てもらうことができたのか。
正直なところ、運営に携わっているメンバーは不安でした。
ですが、
2日目が終わることには、壁一面。200名以上の学生の皆さんの気付きで埋め尽くされていました。
本校について書いてくれる、嬉しい「!」もあれば、
30分以上も時間をかけて、思いの丈をぶつけてくれた学生
自分の夢を書き上げてくれた学生も。
スタッフのメンバーとも一緒に話しながら作り上げました。
そして、授業を受けた学生たちからは、こんな声ももらうことができました。
いただいた感想の一部を書きます。
・思うことは簡単だけど、行動に移すことはむずかしく、大切だと分かった。
・モノづくりをしながら人生を歩んでいこうという強い勇気を頂いた。
・最高だった。の一言につきます。自分の将来に関わる貴重な体験ができて良かったからです。
・自分の今の好きなことが将来、自分の仕事になるかもしれないと知り、自分の夢をかなえられるかもしれないという気望が見えた。
•いろんなことを体験したいなと思いました。
•動かない言い訳を思いつく前に動こうと思いました。
•自分のやりたいと思ったことを体験していこうと思った。視野を広くして日常をすごくしていこうと思った。
•自分も物作りがとても好きなので、作るとき、どのように使うか?いつ使うか?と使う側にもなってものを作っていきたいと思った。
こうして、未来の学校FESの東京会場の2日間が終わりました。
「15歳の選択肢を広げる」
と大きなビジョンを掲げていた私たちですが、この想いが伝わるのか、正直、不安だらけでした。
結果、この2日間を経て、15歳の可能性と、その熱量の爆発力。未来はこの学生のみんなが作り上げていくものであることを、高専スタッフ一同、体感することができました。
今回のイベントは、2023年開校予定の神山まるごと高専の授業とは、やや異なる面もありますが、今回の気づきを大切に、引き続き学校作りに向き合っていきたいと思います。
東京・品川会場に参加してくれたみなさま、ありがとうございました!!
▼当日の授業を見たいという方はこちらのYouTubeで、公開しています!ぜひ、ご覧ください!
神山会場の様子も、後日このnoteでご紹介します!お楽しみに!
[取材・文・構成] 中山順司 [撮影] 澤圭太